雨のち晴れ

ヒイロは視線に気づきアズに

「俺は嘉穂に謝っただけだから安心しろよ」

と言った。


安心?何を安心するの?なんの事だかさっぱり


「何を安心するの?」

気になったから聞いてみた。

「ん?嘉穂は気にしやんでいいねんで」


アズはすっとはぐらかしてしまった。


するとリュウジがパタパタと駆け寄ってきて私の前でしゃがんだ。

「ヒイロに聞いたと思うけど嘉穂にはすっげー悪いことしたと思ってる…ごめんな」


リュウジは少し下をむいて真剣に謝っていた。

「いいって、リュウジは何も悪くないんだから」


リュウジもヒイロも真剣に悩んで考えてやっとここまで来てくれたんだ…



ありがとう…

助けに来てくれて
ありがとう…



「ヒイロもリュウジも嘉穂に近づくんはええけどな、手出したりしんといてや」


アズは二人に向かって少し強気でいった

「それは此方のセリフですよー」


リュウジが悪のりしてアズとはしゃぎだした。

そのあと放課後になるまで屋上は四人の貸し切りだった。

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