ファースト ラブ ~女子高校生×ホストクラブ経営者~
急いで歯磨きを終わらせると振り向いた。



洗面所向こうの廊下の壁に寄りかかったカイトは何を考えているのかわからない表情だ。



途端にしわくちゃになってしまったドレス姿が気になった。



「着替えてきます・・・」



部屋の中は暖かいはずなのにとても寒く感じる。



カイトさんの横を通るのはすごくドキドキした。



逃げるように自分の部屋に入るとピンクのスウェット素材のパーカーとジーンズを着て部屋を出た。



廊下に出るとカイトはまだ同じ場所にいた。



「カイトさん・・・」



何も言わないカイトが怖い。



嵐の前の静けさと言った所だろうか。



いつもより覇気のない花音の顔を見ると小さく溜息を吐き近づいてきた。








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