ファースト ラブ ~女子高校生×ホストクラブ経営者~
カイトの質問に黙っている。


「花音ちゃん?」


――小夜子の事を気にしているのか?



「カイトさん、突然来ちゃってゴメンナサイ どうしてもカイトさんに会いたかったの・・・」



顔を上げた花音の瞳が潤んでいる。



車内が暗くても良くわかった。



「話せる?」



花音の手を包み込んでいたカイトの手は髪の毛に移動した。



「家に帰ったら・・・わたしの父親だっていう人がいたの・・・」



カイトは花音の家が母子家庭だということしか知らない。



明るく育ち、生活にも恵まれている。



花音は話さなかったし、カイトも特に聞こうとも思っていなかった。



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