ファースト ラブ ~女子高校生×ホストクラブ経営者~
翌日、花音は心配する母親から逃れたくて散歩に出ることにした。


「1人で大丈夫?」



玄関先で心配そうな表情を見せる母に花音は「大丈夫だよ」と言った。



エレベーターを待っているとすぐにやって来た。



俯いていた花音はエレベーターのドアが開いてからやっと顔を上げた。



顔を上げた瞬間、ギクッとなった。


カイトが乗っていたのだ。


チャコールグレーのスーツを着た「SION」へ行くスタイルとは違うカイト。



カイトも下を向いていて、やはり目の前に立っている花音を見て驚いていた。



花音は唇をきつく噛んできびすを返すとその場を離れた。



――花音ちゃん・・・・顔色が悪かった・・・。



改めて花音を苦しめてしまっている事に、カイトの胸が張り裂けそうなほど痛んだ。




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