ファースト ラブ ~女子高校生×ホストクラブ経営者~

カイトの苦しみ

花音は頬の涙を急いで手の甲で拭いてから紫苑を見た。



「い、いいえ 帰る所なんです」


花音はペコッと頭を下げて2人の脇を通り過ぎた。



「花音ちゃん!」


カイトが叫ぶ。



「カイトさん、さようなら」


赤い目で無理に笑みを作り背を向けた。




「まずい所へ来てしまったみたいだね?」


紫苑が呆然と立ちすくんでいるカイトを見て言った。



紫苑は2人が別れた事を知らない。



カイトはテーブルに置かれたバーボンの瓶を掴んだ。



「紫苑さん、付き合ってもらえますか?」



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