一筋縄では逝かせない★



「ちょっと船長さんの話は後回しだ。ごめんな?」



兄は船長にこっちの話をさせてくれ、と制します。



「このばばあがどいつだ、ってのは分かった。じゃあ男を出そうとする理由をそろそろ教えてくれんだろ?」



「お兄ちゃん!」



「ん?」



兄は桃子の方にふと視線を揺らします。



「なんで、そんなにこの男のこと庇ってんの?こいつがしたことお兄ちゃんだって許せてないんでしょ?」



「そうだなあー…。いちようずっと一緒にいたんだし。全部知ってから追い出すことだってできるしな。」



「(追い出す気なんてないくせに…。)」



桃子は兄に不満そうな顔をしますが兄は一向に、お頭から視線を外しません。



「こいつは…。」



お頭は小さく話しはじめました。




< 429 / 525 >

この作品をシェア

pagetop