一筋縄では逝かせない★



―その頃。



「あ〜ぁっ、マジで帰ってこないし…」



女神は水底でぼやいていました。



「正直…困るのよねぇ…。そりゃいなくなってせいせいするけど…わたしの責任問題にもなるっていうか………ていうか!」



…あいつ!と女神は青い顔で叫びました。



「あいつ…あの黒い箱持ち出したの!?」



女神は次第に落ち着きを失っていきます。



「あの箱は…この城から出して使い続けると…関わった者全てを……!」



ぼそぼそと呟く女神の声は、ぶくぶくという泡の音に消されて聞こえません。



「…こんなことになるんなら…もっとしつこく言い聞かせるべきだった…」



女神は力なく言いました。



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