切腹
小島は 八反の話を 長い時間を さいて 聞いた。
お通との思い出話が 長く、
「お前はまだ目が覚めぬのか! 即刻断首とす!」
と 言い渡して 帰りたいところを 堪えた。
しかし、話を 最後まで 細かに 聞いた事で 収穫を得た。 (八反はいつも一人で、店に通っていたわけではなかった)
公金だと知らなかったにせよ。
あの店で 公金を使って飲み、楽しんだ物が 他にもいる!
(これで、世論を抑える事が出来る)
小島は 勘定方の春吉、正宗。
の両名を しらすに呼べとの指示を出して、八反には 断首を告げた。
(みせしめには生け贄が…かわいそうだか 仕方がない)
その日の夕刻
八反の断首は 執行された。
「お通…あの世で待っておる!」
が 最期の言葉であった。
次の日 二人の武士に しらすへの 出頭命令が 下りた。
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