プライベート・スカイ
「すいませんでした!中川さん…あの…」

「なんだ?話しは終わったのか」

「はい、あの…」

「じゃあ帰ろうぜ」

中川さんは何も気にしてない様子で立ち上がった。

「いや、でも中川さんは…」

「なんだよ、具合悪かったんだろ?明日も仕事なんだし帰ろうよ」

「はい…」

それ以上は言えなかった。先輩だし…なんか色々と悪いことしちゃったみたいだし。

中川さんが会計を済ませて、オレ達は店の外に出た。

レイナもオレ達を見送る。

あの女と…オレは付き合うのか…

予想もしてなかったことに、まだ少し戸惑っていた。





────あっ…!

っちゃー…携帯もメアドも聞いてねぇや!

付き合うとか言っておきながら、連絡先を知らないとかって…
よく考えると変な話しだ。

明日あたり、また店に行くかな…

そう考えながら、オレは自分が飲んだ分+α分くらいのお金を財布から取り出し、それを中川さんに渡した。

「今日の飲み代です」

「いいって、今日は俺のオゴリな」

「そんなの悪いですよ!オレのせいで全然落ち着いて飲めなかったし…」

「いや、あの店に連れて行った俺が悪かったんだから。女がイマイチだったからなー」
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