プライベート・スカイ
「でもアンタの彼女じゃないの?」

「あんなの彼女じゃねーよ。向こうが勝手に言い寄ってきてるだけ。俺、他に女いるし」

そう言うと男は去っていった。

あー、どうするか…このまま帰るのは無理だな。絶対に気になるし…もしかしたら、あの女もケガしてるかもしれない。

でも
なんでオレが…

そう思いながらも橋の下まで走っていくと女が川から上がってきた所だった。

よく自力で上がってこれたもんだと感心しながら、オレは彼女に手を貸した。

「…誰?」

「大丈夫か?ケガは?」

「───青山くん?」

暗がりで、またしても予想外に名前を呼ばれてオレは驚いた。

「私よ、レイナ。なんでこんな所に居るの?」

「レ…レイナ!?レイナか?!」

びしょ濡れの彼女は、よく見ると確かに織江礼奈だった。

'なんでこんな所に?'

それはオレのセリフだ。なんでお前、こんなトコでこんなコトしてんの?


…っていうか…男?がいたんじゃん。

この前の『付き合って』ってのは何だったのか。

たくさんの疑問が頭の中にあったけど、今はこの状態のレイナを何とかしなきゃならない。

「ケガは?」

「…平気…ちょっと身体が痛いけど」
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