プライベート・スカイ
一瞬、ホッとした気持ちになる。

透依が来てくれた。
私に会いに帰って来てくれた。

そう思っても、私は素直にそれを表現する事はできなかった。

「ゴメン、すぐに来れなくて!!気分は?傷は大丈夫か!?」


空港から真っ直ぐに来てくれたのがわかる。病院に入って、きっと雨峰ちゃんから聞いた私の病室を慌てて探したんだろうなって事も。

透依は汗だくになって私に会いに帰って来たのに。

なのに、どうして

私…反対の事を言っちゃうんだろう。

「全然たいしたことないの!傷だって、まだ少し痛むけどすぐに抜糸するし。

これだけなのに、仕事休んでわざわざ帰ってきたの?」

「だって…メールも電話も出なかったし、アマゾンもよく分かんないような事言ってて…」

「携帯は部屋に置いてきちゃったのよ。誰かに頼むのも嫌だったし!連絡くれてたんだ?」

「当たり前だろ!こんな事して…」

「もう'大丈夫'!ちょっとね、精神的に落ちてて無意識に手首を切ってたのよ!自分でもビックリしたんだから!」

「だけどレイナ…」

「大丈夫、大丈夫!ホラ私、明日退院するのよ?」

なにが'ダイジョウブ'なの?

全然大丈夫なんかじゃないわよ…
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