プライベート・スカイ


──ずっと夢を見ていた気がする。



だけど、どんな夢だったかは覚えていない。

幸せな夢ではなかった。悲しくて苦しい夢だった気がするけど…

「!…青山さん。目が覚めたの?」

「…」

自分がどこに居るのかわからなくて、天井をボーっと見ていた。

「おーい、帰ってこーい!まだ寝てんの?」

そう言って隣に座っていたアマゾンは目の前で手を振った。

「…ここ、どこだ?」

自分の部屋ではない。

「病院。もう3日も寝てたんだよ!寝すぎじゃん」

「3日…」

そんなに寝てたって?なんで?
記憶をたどってみても、全てが曖昧でぼんやりとしている。

「青山さん、お腹すいてない?点滴してもらってたけど何か食べた方がいいんじゃない?」

そう言ってアマゾンは椅子から立ち上がり、下に置いたバッグを持った。

「──あんまり覚えてないんだ…」

「何が?」

「レイナと佳依が死んだ時の事は覚えてるはずなのに、思い出そうとするとフィルターがかかったみたいで

ハッキリとは思い出せない。その後の記憶はぽっかり抜け落ちていて自分が何をしてたのか分からないんだ…」

あんなに鮮明で網膜にまで写り込んだシーンだったのに。
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