プライベート・スカイ
結局は、恋愛ごっこじゃなかったよ。
本気で…本当に愛していたんだ。

だからこそ裏切りは気が狂いそうなほど辛かった。

恐ろしいほどの絶望感と、それからココロが空っぽになる恐怖。

傷ついてる心と身体を自分ではどうする事もできない。

だからと言って…自殺する勇気もないんだ。

ただジッとして、眠っていれば楽に死ねるんじゃないかと思っていた。

佳依とレイナと、母さんの死に向かい合う事だって放棄した。

苦しさから逃げたかった…

そんな小さな人間のオレを
アマゾンは強く抱きしめてくれた。

彼女の肩に頭を委ねて泣いていると、アマゾンが優しく髪をなでてくれる。

不安と孤独で壊れそうだったココロが優しさで満たされていく。

自分でも驚くくらいに安心していた…




恋じゃなくても誰かにそばにいてもらいたい。

自分が存在してもいい理由を探したい。

それだけで傷が癒えるような気がして…

「青山さん、泣きたい時はいっぱい泣いたらいいよ…

そしたらきっと気持ちが楽になるよ」

…うん

返事は声にならなかった。
でも、アマゾンが居てくれて良かった…





それからオレの意識は薄れていった。
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