プライベート・スカイ
「兄貴がいたのか」

「うん。しかも愛し合ってた」

「!…」

「でも死んだの。お兄ちゃんはSweetPainの売人だったみたいで…結局はたくさんのSweetPainを飲んで自殺した。眠るように死んでいったよ」

母さんと同じ…

母さんも眠りながら、オレの目の前で逝った。

アマゾンが自分と同じ思いをしたのだと思うと胸が痛い。

そして【SweetPain】
響く名前とは裏腹に、なんて残酷なドラッグなんだろう。

ここにも犠牲になった人間がいたのかと思うと、やりきれない気持ちになる。

「ゴメン…それって佳依のせいだよな?オレが謝ったって許してもらえないかもしれないけど…オレ…」

急にアマゾンの顔を見るのが怖くなった。
責められる気がして…でもどうしたらいいのか分からない。

でもアマゾンはいつもの軽い調子で答えた。

「なに言ってんのーお兄ちゃんは寿命だったんだよ」

「え?」

「そりゃあねーSweetPainの正体もわかって、佳依って人を恨んでた時もあった。だけどお兄ちゃんが生き返るわけじゃないし

だから寿命だったって思わないとやってらんないワケ。だから青山さんが謝る必要もないよ」

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