イジワルな恋人
「……じゃあ、家族のために許してやれば?」
亮の言葉に……、あたしはゆっくり顔をあげた。
視線の先で、亮が優しく微笑む。
「……おまえが死んだ家族の為にしてやれる事。
家族の為に自分を許してやれよ。
……多分、おまえの家族が一番望んでることだろ?」
亮の浮かべた優しい表情を見つめられて……ゆっくりと震える口を開く。
「……家族のために?」
「ああ」
そんな事、今まで考えた事もなくて……亮の言葉に戸惑った。
自分を許すことが、本当にお父さん達のためになるの……?
お父さん達は、本当にそれを望んでる……?
そんなの……自分に都合よく考えてるだけじゃないの……?
……でも、亮の真剣な目が、優しい笑顔が、あたしの不安を取り除いていく。
自信に満ちた微笑みが、あたしの心を軽くする。
「……考えてみる」
亮の自信に満ちた表情に、それが間違ってるなんて思えなかった。
……正しいことのように思えた。
色々な人に同情されて励まされたけど……、
こんなに力強い言葉で強引に励まされたのは初めてで。