イジワルな恋人


「……じゃあ、家族のために許してやれば?」


亮の言葉に……、あたしはゆっくり顔をあげた。

視線の先で、亮が優しく微笑む。


「……おまえが死んだ家族の為にしてやれる事。

家族の為に自分を許してやれよ。

……多分、おまえの家族が一番望んでることだろ?」


亮の浮かべた優しい表情を見つめられて……ゆっくりと震える口を開く。


「……家族のために?」

「ああ」


そんな事、今まで考えた事もなくて……亮の言葉に戸惑った。



自分を許すことが、本当にお父さん達のためになるの……?

お父さん達は、本当にそれを望んでる……?

そんなの……自分に都合よく考えてるだけじゃないの……?


……でも、亮の真剣な目が、優しい笑顔が、あたしの不安を取り除いていく。

自信に満ちた微笑みが、あたしの心を軽くする。


「……考えてみる」


亮の自信に満ちた表情に、それが間違ってるなんて思えなかった。

……正しいことのように思えた。


色々な人に同情されて励まされたけど……、

こんなに力強い言葉で強引に励まされたのは初めてで。










< 198 / 459 >

この作品をシェア

pagetop