イジワルな恋人


体育祭は大盛況で幕をおろした。


5チームの得点は本当に僅差で、優勝は最後のリレーに委ねられた。


女子リレーは、第一走者、元陸上部の梓がトップにたって、あたしもその位置をキープ、アンカーまでそのまま逃げ切る形で青組が勝った。


男子リレーは、第三走者の亮が二人を抜いてトップにたって、第九走者、アンカーの中澤先輩が逃げ切った。


青組の優勝が決まった瞬間だった。


「なんか始まる前は面倒くさかったけど楽しかったね」


梓が閉会式の途中に言う。

グランドの中央では、来賓やらOBやら……おじさん達の挨拶が続いている。

あまりの長さに騒ぎ出す生徒が続出して、先生達が睨みをきかせていた。


「ね、楽しかったよね。優勝できたし。打ち上げしたかったんでしょ?」

「そう! 頑張ったかいがあったよぉ。

まぁ、誰かさんは途中どっか行っちゃって、800走って疲れたあたしにぬるーいウーロン茶なんか買ってきてたけどね。

……なんであんなぬるかったの?」

「……さぁ」


顔を覗き込みながら言う梓に、気まずくなって目を逸らす。


『えー、では青組は後日、食堂にて打ち上げを行いますのでまた連絡します。

他のチームも各自打ち上げを計画してるところもあると思いますが、くれぐれも高校生であることを自覚し、ハメをはずさないよう……』



教頭の長い注意で、閉会式が終わる。



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