イジワルな恋人
「おまえ、まさか帰りまで歩きたいなんて言わねぇよな?」
下駄箱で待ってた亮が、釘を刺す。
今まで抱え込んでいたものを知っても、いつもと変わらないでいてくれる亮に、ほっと胸を撫で下ろした。
「……そのつもりだけど」
あたしの言葉に、亮が大きくため息をつく。
「だから亮は車で帰っていいってば……」
「あー……すげぇ面倒くせぇ……」
亮が不機嫌そうに、あたしの鞄を取り上げて歩き出す。
「……亮って、なんか紳士だよね」
「なんだ、それ」
笑うあたしを見て、亮が鼻で笑う。
「だって荷物持ってくれるし、歩くペースも合わせてくれるし……、お弁当作りすぎても残さず食べてくれるし……」
「……別に普通だろ」
「あ、ねぇ、コンビニでアイス買って行こ」
通りかかったコンビニの前で言うと、あたしの後に続いて亮がコンビニに入った。
亮の姿を確認したコンビニの店員の態度が、見る見るうちに変わっていくのが分かった。
「……亮、お金持ちなのに、コンビニのものとか食べるの?」
アイスを片手に不思議になって聞くと、亮は呆れて笑う。