イジワルな恋人
「え……、それって、あたしと同じ高校の制服の……?」
「そうそう。モデルみたいな子だったよ。
すらっとしてて。でも、顔にケガしてたんだよね。何があったんだろ」
「……」
……多分、桜木先輩だ。
あたしの後を追って……? でもなんで……。
「ボーイ同士のケンカかなー。でもそれにしたって高校生かー……」
ケガって、どうしたんだろ……。
……でも、あたしが責任感じる必要なんかないし。
なんでそうなったのかは分からないけど、あたしは関係ないし。
「……」
そう思うのに、仕事中もずっとその事が頭から離れなくて。
頭の中に浮かび続ける桜木先輩を、何度も頭を振って追い払った。