イジワルな恋人


徐々に曇っていった空からは、お昼過ぎから雨が降り始めた。

仕方なく、あたしと亮は、空いていた教室でお弁当を食べる事にした。


『第2視聴覚室』と名前のつけられてるその部屋は、しばらく使われた形跡がなくて、空気が少しほこりっぽい。


普通の教室と同じように並んだ机には、たくさんの落書きが残されていた。


「亮と並んで座るなんて変な感じ……」


隣の席に座る亮に、ポツリともらす。


「そうか?」

「そうだよ」


……クラスの男子とも隣になるし、それと同じ距離なのに。


「……」


チラッと亮を盗み見する。

少しあたしの方に向いて、膝を立てて曲げた片足を椅子の上に乗っけてる。

だらしなくボタンを開けている制服からは、素肌が覗いていて……あたしをドキドキさせた。


「……おまえ何赤くなってんの?」


そんなあたしに気付いたのか、亮が意地の悪い笑みを浮かべて近づく。



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