イジワルな恋人


「べ、別に……」


顔を背けながら口ごもる。

話せば話すほどドキドキが大きくなってしまう気がして、口を結んだ。


「……あれ、香水、つけてきたんだ?」

「よくわかるね。つけすぎちゃったかな……。匂いきつい?」


言ってから慌てて口を押さえた。

こんな事聞いたら、亮は絶対に、『もっと近くに寄らねぇとわかんねぇ』とか言ってエッチな展開に……っ。


そんな事を考えて顔を赤くしている隣で、亮はあたしをじっと見つめて……。

「……いや、いんじゃねぇ?」

とだけ、つぶやいた。


「……そぅ」


なんだか拍子抜けして……そこで、亮の異変に気がついた。


亮、いつもとちょっと違う……?

……そういえば、今日、一度もあたしに触れてない。


「……ちょっと話があるんだ」


見上げると、視線の先には、真剣な顔をして見つめてくる亮の姿があって……あたしは動揺から瞳を揺らした。


……やっぱり、違う。

様子のおかしい亮に、心臓が騒ぎ始める。








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