イジワルな恋人


「それで……おまえ、中学ん時、学校帰りに川口に待ち伏せされて……」

「うん。……知ってる」


あたしの言葉に、驚きからか亮は一瞬言葉を失う。


「……は? 知ってるって……」

「少し前に、おばあちゃんに聞いた。

警察の人から事情聞かれたりした時にも……「前、会った事があるんじゃないか」ってしつこく聞かれたし。

あの時はなんでそんな事聞かれるのか分からなかったけど、おばあちゃんから聞いて初めてその理由が分かった。

本当は……会ってたんだよね、覚えていないだけで」


あたしはうつむきながら、ゆっくり話した。


「おまえ……それ聞いて平気だったのか……?」

「うん……。ショックだったけど……だけど、その事を聞いたからって落ちこんだままでいたら、お父さん達に怒られちゃいそうだし。

また同じことを繰り返したりしたら……きっと、今度こそ見捨てられちゃうよ。

おばあちゃんも、その事を話してくれた時、すごく心配そうにあたしを見てて……もう、おばあちゃんにもそんな顔させたくないから。

あたしは、大丈夫。支えてくれる人がいるから」


ショックじゃなかったって言えば嘘になる。

だけど、その事をまた引きずるような事は……もうしたくない。


同じ事を繰り返して、おばあちゃんや周りに、心配かけたくない。



事件に捕らわれて負けちゃダメなんだって、気付けたから。



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