イジワルな恋人
「……よぅ」
部屋に入ると、亮がテレビの前のソファーに座ったまま声をかけた。
あたしも少しだけ間をあけて隣に座る。
「話って何?」
じっと見つめて聞くと、亮も目を逸らさずに答えた。
「……俺、今学期で学校辞めることにした」
「……え、」
亮の言葉に、頭が真っ白になる。
動揺があたしを包んで、真っ先に口に出たのは、素直な気持ちだった。
「なんで……、あたしのせい……?」
動揺するあたしの手を、亮が握りしめる。
「おまえのせいじゃねぇよ。どっちみちやばかったんだし。今までの積み重ねだろ。……で、俺、今年、高卒認定試験ってやつ、受ける事にしたんだ」
「……高卒認定試験?」
「……おまえ、ここどうしたんだよ」
あたしの左頬に、亮の手が触れる。
「え……? あ、ちょっと昨日バイトで……。そんなことより、」
「バイトでって……佐伯にやられたのか?!」
「えっと……そうだけど、でももう、」
「なんですぐに俺に言わねぇんだよっ」
なかなか進まない話に、少し苛立ち始めて……一気に気持ちを吐き出す。
「佐伯さんにやられたのは本当だけど、でももう解決して、佐伯さんは明日地元に帰るって言うから、大丈夫なのっ!
それより……試験って?
高卒認定って……18歳からじゃないの?」
怒ったみたいに早口で言ったあたしに、亮は少し戸惑いながら、話し始める。