イジワルな恋人


「16から受られんだよ。

……親父とも話して決めた。

うち、病院だけど、まだ医学に興味湧かねぇし、高卒認定取って、大学の受験勉強しながら考える事にした」

「……」


あまりの展開の速さに……、頭が追いつかない。

ただ黙って亮の話を聞いていた。

大きなテレビから流れてくるCMが少しうるさくて、顔をしかめる。


「11月に試験があるから、それ受けることにした。

……俺頭は悪くねぇけど、さすがに何にもしなきゃ難しいだろうし。これから勉強して受かるから。だから心配すんな」

「……」


落ち着いた顔で話す亮を、あたしは膨れた顔で見つめる。


「……どうした?」

「亮……また一人で決めた。昨日あんなに言ったのに……。

悩んでたんなら少しくらい相談してくれたって……」

「……カッコ悪ぃだろ」


ぽつりと落ちた小さな声に、亮の顔を見上げる。


「……亮?」


耳を赤くして……そっぽを向きながら亮が続ける。


「好きな女に進路の相談なんかできる訳ねぇだろ」


その言葉に、あたしは呆れて笑って……亮を見つめた。


「……じゃあ、進路以外だったら相談してくれる?」


覗き込むあたしに、亮が一瞬だけ視線を移す。


「……気が向いたらな」


亮の答えに、もう一度膨れて見せた。



< 415 / 459 >

この作品をシェア

pagetop