イジワルな恋人
「16から受られんだよ。
……親父とも話して決めた。
うち、病院だけど、まだ医学に興味湧かねぇし、高卒認定取って、大学の受験勉強しながら考える事にした」
「……」
あまりの展開の速さに……、頭が追いつかない。
ただ黙って亮の話を聞いていた。
大きなテレビから流れてくるCMが少しうるさくて、顔をしかめる。
「11月に試験があるから、それ受けることにした。
……俺頭は悪くねぇけど、さすがに何にもしなきゃ難しいだろうし。これから勉強して受かるから。だから心配すんな」
「……」
落ち着いた顔で話す亮を、あたしは膨れた顔で見つめる。
「……どうした?」
「亮……また一人で決めた。昨日あんなに言ったのに……。
悩んでたんなら少しくらい相談してくれたって……」
「……カッコ悪ぃだろ」
ぽつりと落ちた小さな声に、亮の顔を見上げる。
「……亮?」
耳を赤くして……そっぽを向きながら亮が続ける。
「好きな女に進路の相談なんかできる訳ねぇだろ」
その言葉に、あたしは呆れて笑って……亮を見つめた。
「……じゃあ、進路以外だったら相談してくれる?」
覗き込むあたしに、亮が一瞬だけ視線を移す。
「……気が向いたらな」
亮の答えに、もう一度膨れて見せた。