イジワルな恋人



「……何見てんだよ」


見つめながら思い出にふけっていたあたしに、亮が呆れて小さく笑う。

寄っていくように言われて、入った亮の部屋。

ベッドに横になっている亮を、その脇に座りながら眺めていた。


「亮と初めて会った時から今までの事を考えてたんだ……。

10人同時進行男とか呼ばれてたなぁって」


あたしの言葉に、亮が少しだけ口の端を上げる。


「ねぇ……亮って、いつからあたしの事好きだった……?」


少し恥ずかしくなりながら聞く。


「……さぁな」


意地悪に笑って誤魔化すから、口を尖らせて近づく。


「えー、気になるよ。ね、どうしてもダメ……」


言い終わる前に、亮があたし首の後ろに手を回して……唇が触れるギリギリのところまで顔を近づけた。


「……聞きたい?」

「……うん」

「じゃあ、奈緒からキス出来たら教えてやるよ」

「え……」

「ただし、俺がするようなヤツな」


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