メロンパンの恋の味

「気になる?」

「別に…」

ウソ。メチャクチャ気になる。

徹は、無言で携帯を持ったまま

あたしの隣りに座った。

そして

携帯を開くと

無言でボタンを何度か押した。

そして


「ほら、見てみて」
そう言って、あたしに携帯を渡した。

「えっ?」

「いいから、中、見てみて。」

言われて見てみた。

アドレスの名前

男の人の名前ばかり。
時々、見かけた女の人の名前は

「これ、うちのお袋…で、これ、うちの妹…」

「妹、いたんだ…」
「まぁ~ね。で、これが…」


「いいよ。もう説明しなくても。」

「そうか?オレの事、信用した?」

「えっ?」

「お前…今、凄く不安な顔してたから。」

「……」




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