その手に触れたくて

もう、隼人をそっとしてあげたいって思った。

係わってたあたしの所為であるのであれば、もう隼人を楽にさせてあげたいと思った。


こんな形でちゃんと吹っ切れた気持ちになるのはおかしいけれど、このキッカケを気に全て終わろうと思った。

何がなんだか分からないままとっくに月日なんて過ぎ去ってて、新年を越した後、いろんな事が起こって、あと少しで卒業だって時期にまで迫ってた。


2月。

多分、あたしの中ではとっくに何もかもが吹っ切れてた。

もうほとんど思い出す事もないし、みんなあたしに何も言おうとはしない。


時間が掛り過ぎてしまった。

忘れる事に時間が掛り過ぎてしまった。


多分きっと時が経つとともに風化していくだろう――…


きっと。




――…なのに。

今から教室に向かうあたしの足を完全に止めたのは…



紛れもなく







――…隼人だった。







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