その手に触れたくて

「…隼人?」

「うん?」

「学校…」

「学校?」


隼人は落としていた視線を上げる。


「辞めないって聞いたから」

「あぁ…。って言ってもやり直しだけどな」


そう言ってどうしようもない笑みを見せる。


「…何でやり直そうと思ったの?」


夏美に聞いた事は言わなかった。

あたしの為にお兄ちゃんに言われた事。


何でそこまでするのか分かんなかった。


「何でって…。まぁ、ちゃんとやり遂げなきゃいけねぇなって思って。つか、この話は終わり。別にどーでもいいことだし」

「……」


隼人は詳し事はいっさい言わずに、ホントにどうでもいい様な言い方をする。

だけど深くは聞けなかった。


「あ、メロンパン食った?」


コロっと話題を変えた隼人は、あたしに視線を送りながら咥えたタバコに火を点ける。


「ううん…。まだ」

「あれ?即効食う美月には珍しいじゃん」


隼人はタバコを咥えたまま口角を上げた。





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