その手に触れたくて

6月に入って数日後、あたしは久しぶりに夏美に誘われて学校帰り近くのカフェに足を運ばせた。

カフェに入って夏美はアイスレモンティーを2つ頼む。


「それにしても昨日と今日、ナオと隼人、来てなかったね。何してんだろう。…まぁ、どうせロクな事してないと思うけど」


夏美は呆れた口調でそう言って運ばれてきたアイスレモンティーを口に含んだ。


隼人…

その名前を聞くだけで胸騒ぎがする。


なんでだろ…胸が痛い。苦しい。


「あのさ…」


だからあたしはゆっくりと口を開いた。

口を開いてすぐ、乾いた喉を潤す為に冷たいアイスレモンティーを流し込む。


「ん?何?」


喉が潤ったと同時に夏美はあたしを見たままグラスに入っている氷をカラカラとストローで回す。

そのカラカラ音が鳴る氷にスッとあたしは目線を移した。


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