廃陸の旅団
ゴトゴトと道なき道を進んでいくと馬車が停まる。

約半日ほどの馬車移動は腰やら、尻やらが痛かった。

「ソーマさんありがとうございました。」

三人が降りてお礼を言うとソーマは手を出してきた。

「なぁーに良いってことよ。じゃ、馬車代25000ゴールドね。」

にっこりと笑顔で手を出しているソーマ。

全く冗談なのか本気なのかが分からない。

そこが何よりも質が悪かった。

「はっはっは。嘘だよ嘘。馬車代は騎士団に支給されている礼金から出すから心配そうな顔すんなって。」

馬にのりながらカムイの肩をバシバシと叩いてくる。

結局いたずらに満足したのかソーマは満面の笑みで帰っていった。

「なぁ……俺あの人救ったのかなり後悔してるわ。」

「大丈夫よカムイ。正直私たちも同じこと思ってるから……ねぇリリー?」

「え!?いや、あの……私はその。」

しばしソーマへの怒りを沈めるために一行はその場にたたずんだという。
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