廃陸の旅団
｢おっと残念だなぁカムイ。お前を殺すのはおあずけみたいだ。人質はもらった引き上げるぞ野郎ども!!｣

クラナドが合図を出すと港にいた無属民達は一斉に引き上げていった。

多勢に無勢では、深追いすることはできないのでカムイは一旦リリーのもとへと戻る。

｢大丈夫かリリー？｣

｢カムイ!!｣

するとなぜかリリーが大慌てでカムイにかけよってきた。

｢マールちゃんが居ない……マールちゃんが居ないのよ!!｣

｢何だって!?｣

なんと人質とはマールのことだったのだ。

二人が茫然と立ち尽くしていると一匹の黒猫がカムイの下にやってきた。

口には何か紙をくわえている。

その紙をカムイが取る。

｢くっそ……今頃伝書が届いたって遅ぇんだよ。｣

『無属民のアジトが海底都市にあると判明した。
向かう際には細心の注意を払うように。
ローザス。』

カムイはマールを守れなかった悔しさで伝書を握り潰した。

｢ねぇカムイ。この子もう一枚くわえてるよ。｣

リリーが猫からもう一つの伝書を受け取り手紙をあける。

『私がさきに行って調査しておく。
アナセルに着いたらテッドという男を訪ねその家で待機していてくれ。
ニーガル。』

リリーは丁寧にその手紙をたたむ。

｢どうする？｣

｢どうするもなにも……とにかくその人探すしかないでしょ。｣

仕方なく二人はテッドという男を探すことにした。

大都市で一人の人物を探すのはかなり骨が折れることだろう。

ふとリリーが上を見上げる。

『テッドちゃまの魅惑のバー』

ピンク色にラメラメの紫の字で描かれた看板。

｢……あ。｣







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