廃陸の旅団

親愛なる裏切り人


そしてカムイはボロボロになった身体を引きずり、壁にもたれながら上を目指していた。

「つっ!!なんだ?右目が痛い……ぐああっ。」

立ち止まり座り込んでしまうほどに強烈な痛みが、不思議な光を放っていた右目にはしる。

手で抑えても痛みは和らぐこともなく。

ゆっくりゆっくりとその痛みは消えていった。

すると――

「えっ――右目が。右目が見えていない!?」

痛みが治まると右目はその光を完全に失った。

カムイは手をかざしたりして視界を確認するが、なんと右目が失明していた。



そんなカムイに追い打ちをかけるかのように、2人の軍人がカムイの背後へと迫ってきているのだった。



< 195 / 583 >

この作品をシェア

pagetop