廃陸の旅団
ケルセウム郊外の小さな田舎村にカムイ達の目的地はあった。
「すっげぇ田舎だなぁ。辺り全部が田んぼか山じゃん。」
「うん。あ、でも何となく空気が綺麗?」
小鳥さえずる田んぼ道を3人はゆっくりと歩いている。
初めて田舎を目の当たりにしてはしゃぐジンとマールとは裏腹に、カムイは一言も口を開かなかった。
「おっ民家が見えてきたぞ。」
「ねぇ、ねぇカムイ。どれがクラナドの家なの?」
そうカムイの行きたかった場所、それはクラナドの実家だったのだ。
「あれだよ。」
カムイは前にクラナドと自分達の実家の話をしたのを覚えていた。
少し薄れた記憶を頼りにカムイ達はそこを訪れた。
クラナドの実家はカムイの家と同等か、それよりも更に廃れている様にも見えた。
「すごい年期だな。今にもぶっ倒れそう。」
「入るよ。」
ギギギと今にも壊れてしまいそうな玄関の戸を開くと、中から少し太った女性が出てきた。
「あら。どなたかしら?」
優しい口調。
少しゆっくり目の話しのリズム。
まさしくクラナドのそれと同じだった。
「初めましてウォーカーさん。カムイ・フロストマンと言います。」
会ったことはないが聞き慣れた訪問者の名前に、クラナドの母親は満面の笑みで家に迎え入れてくれた。
「カムイ君、いらっしゃい。」