廃陸の旅団
グリアはウリアの様に両腕を操作して両腕で一つのハンマーに変形させた。

巨大な体をめいっぱい使ってハンマーを振り下ろす。

ジンが避けるとハンマーは頑丈な床を割って地面に突き刺さった。

「この馬鹿力が。少しおとなしくしてろ『結鎖:氷狼陣』」

ジンが結界を作ろうとした瞬間。

グリアがジンの背後へと回り込み、ハンマーを叩きつける。

「なっ!?ぐあぁっ!!」

ジンはそのまま地面に叩きつけられてしまう。

ハンマーが当たる瞬間、とっさに身体を捻り、背骨だけは守ったのだが左腕を完全に粉砕されてしまった。

「私の体型と最初の動きを見て、あれが私の限界速度だと思われたのでしょう?ウリアの話をきちんと聞いていましたか?私たちは自己細胞を操作できるのですよ。」

グリアはジンを見下ろす。

その生気を持たぬ眼が不気味に光っていた。

「フォースとは細胞の核からはっせられるエネルギー。細胞操作とはつまりフォース操作をも意味しているのです。もうお分りですね?」

またグリアは一瞬でジンの視界から消えると倒れこんでいるジンの目の前に移動した。

「このように足部の細胞を操作すれば動物の限度を越えた速度で移動することができます。また……この様に腕のフォースを全開にすれば。」

グリアは更に巨大に変化させたハンマーをジンの右腕に振り下ろす。

「がっ!!うわぁぁっ!!」

ジンの右腕はまるで紙風船が潰れるかの様に、容易く押しつぶされてしまった。

「どんな鍛えられた筋肉をも潰し骨を砕くことができるのですよ。」



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