廃陸の旅団

深い深い闇の中、アストンはある物を探していた。

手探りでそれを探していると、床いっぱいに敷き詰められていた埃が舞う。

「……ん?もしや……」

わずかに小指に触れた感触。

アストンはゆっくりと右手を横にずらしそれを慎重に手に取った。

「よし。」

右手にそれを抱えたまま元来た道を辿っていく。






明るみに出たアストンの手には今にも崩れ落ちそうなほど古い書物。

アストンはゆっくりと埃を振り払い、本のタイトルを解読する。

「…………やっぱり。」

本のタイトルは『変天の知念士』。

史上初めてアーカーとしての力を持った人物を語り継ぐ為の本。

そこには痩せ形で水色の髪をした少年が書かれ、その横には"ノア"と書かれていた。

「世界に終焉が迫った時、忽然と現れ世界の気候すらもを意のままに操り、今あるこの大地を生み出した人物ノア。彼がまさか……」

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