廃陸の旅団

極限の戦い



スクアロは部屋に入るなり特殊な結界を張り巡らせた。

「私が今、何をしたか分かりましたか?」

スクアロの問いにマールが躊躇なく答える。

「私のフォースを奪い取っている。」

スクアロが張った結界は、マールのフォースを吸い取るものだった。

「その通りです。とはいっても極微量なものですが。」

スクアロは袖から扇子を取り出すとゆっくりと開く。

「さて、マールさんには孔気持久力が足りません。とはいっても私も他人のこと言えたものではありませんが。」

スクアロのフォースが上がるのを感じて、マールも静かに戦闘態勢に入った。


「いいですか?フォース操作は『呼吸』と同じです。息を多く吐く為には息を沢山吸うことが必要。更に多くの息を吐くのならば、息を吸う前に限界まで息を吐き、肺の中の残っている空気を外に出す必要があるのです。」

スクアロの言葉にマールは大きくうなずいてみせた。

それを見てスクアロは続ける。

「マールさんは己の限界値を分かっていません。そこで、この二日間はこの結界の中で私と組み手して、真の限界値を知ってもらいます。恐らく他の三人も初めは同じようなことをしていると思いますしね。」

そう言い終えるとスクアロは完全に臨戦態勢となり、ビリビリと痺れるような緊迫したフォースを放つ。

そして、2人が同時に動いた。





< 455 / 583 >

この作品をシェア

pagetop