廃陸の旅団
「そんな…ガードで手一杯だったはず。」

アクトパスはスクアロの洗練された舞に八本の腕をすべて使って防いでいた。

地面に描かれた結界を壊すことなどできるはずがなかったはずだ。

「やだぁ。何を驚く必要があるの?あなたがやったことを私もしただけよ。」

「私のしたこと…そうか、使ったのは手ではなく足。」

アクトパスはにやりと笑った。

そしてスクアロもにやりと笑った。

「何がおかしいのかしら?ん…これは。」

さっき確かに消えたはずの暗雲がまたアクトパスを包みこんでいく。

「な、何故?そんな…どうして?いや、いやぁ。」

「アーカーを舐めるなと言ったでしょう?私は結界を地面に描いたりはしない。軌跡にフォースの名残を置いていきそれを結界とするの。地面の結界はフェイク、あなたは私の術を破れてなどいなかったのよ。さぁ、あなたには光なき世界がお似合いよ。逝きなさい。」

暗雲はアクトパスを完全に包み込むと地面に沈んでいった。

アクトパスの悲鳴は雲が地面に消えるまで辺り一帯に響き渡った。
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