廃陸の旅団
双剣術の奥義を以てしてニーガルを打ち下したジン。

そのころローザス城では一人椅子に座り、戦いを観戦しているローザスがいた。

そしてローザスは笑う。

自らの生み出した化身がことごとく破れたことを知りながら。

「しょせんは造り物ね。さぁて最後の彼はどんな面白いショーを見せてくれるかしらね。」

ふと笑みを零し、僅かにかわいた唇を潤すようにローザスはワインを口にした。

血のように赤いワインが底を尽きた。
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