廃陸の旅団
「あんた本当にラクトなのか?」

切られた孔気刀を再生しながらカムイは問う。

ラクトは冷たい眼差しでカムイを見る、そして笑った。

「どうしてそんなことを聞くんだいカムイ?久しぶりすぎて父親かどうかの区別もつかないのかな?」

恐いくらいの笑みでラクトは言った。

父親の顔。

父親の声。

しかし、何か違う。

「あんたはオレの父親のラクトではない。」

最初に一目見た時から感じていた違和感。

カムイには、カムイにだけは分かっていた。

いくら同じ顔をしていようと、同じ声をしていようと違うのだ。

目の前にいる人物からは、幼い頃に感じた、澄み切った青空の様な心地よさを感じることができない。

それだけでラクトではないと確信できた。

ほんの少しの間、沈黙が流れた。

そしてラクトが口を開く。

「さて…どうしたもんかね。父親だと思い込ませて楽に殺すつもりだったんだけど、予定が狂ってしまったじゃないか。」

ラクトはそれでも笑っていた。

カムイは孔気刀を構え言う。

「あんたはいったい?」

その問いにラクトは不気味に笑った。
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