廃陸の旅団
「舞い刻め『空衝波』。」

ようやく動き出したカムイの隼の様な素早い斬撃が、ソニアを捕らえたようとした瞬間、更に背後にソニアがまわる。

「技を出したところでさっきまでと何も変わっていないじゃないか。」

ソニアが試験の終了を確信した時、まるで斬撃により発生した衝撃派が自分を追ってきたように、自分に向かい脇腹を捕らえようとしていた。

「ちっ……くしょ。」

『ピィィィィィッ』

試験時間終了の笛の音が辺りに響き渡る。

「うおぉぉぉっ。凄い戦いだったぞ。」

「2人ともよくやった。」

「鳥肌たっちまったよ。」


砂埃に隠れてしまっている主役達をよそに観客達のボルテージは最高潮に達していた。


しばらくすると、ゆっくりと2人が姿を現す。

ソニアは皮一枚で最後のカムイの攻撃を避け後退していた。

試験はソニアの無傷という結果に終わる。



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