廃陸の旅団
「ハイマンス。スクアロ。ジン。オスカー。アストン。マール…」

アリオスはスフィアを埋める度に、そのスフィアの主の名前を呟いた。

「このスフィアは観察者達の魂の一部が刻み込まれてると聞いています。つまりここに埋めこまれた者達こそが観察者であり、あなた方の言う神だったのです。」

「何を訳の分からないことを…」

ギッと睨みながらそう言ったカムイ。

アリオスは柔らかな笑みを零した。

「分からないのも仕方ないです。あなたはもう一人の観察者が自分だと思っていますよね?」

廃陸の旅団のメンバーが全員そうだったのだから残る一人はカムイ以外いない。

そう思うのも自然な考えだったのだが、アリオスの口から信じられない言葉が発せられる。

「あなたは観察者ではありません。膨大なプログラムの中の小さな1データに過ぎないんです。最後の観察者は…」

アリオスは手に残った最後の小さなスフィアをつまむと、石碑のくぼみへと運んでいった。

「最後の観察者はクラナド・ウォーカーです。」

信じられない事実。

カムイは言葉を失う。

「な…んだと…?」

そして石碑が光り輝きだしアリオスの不気味な笑みを更に不気味に照らしだしていった。
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