メイドのお仕事



私は今、お仕置き中。

いや、正確に言えばこれから。


しかも、みんなの前で。

利琥は分かってくれなかった。



「おいで、葉凪」


震える私の身体を見て、悪魔はほくそえむ。


「駄目だよ利琥、今回はっ!」

「あ?てめぇは黙ってろ、泣き虫が」



ちょっ、おい!泣き虫はないでしょ。


「葉凪だって怖がってるじゃーんっ!」



涙目になってる私を見て、利琥は眉をしかめる。

「…利琥」


「ちっ」

小さく舌打ちが聞こえて…。



―――チュッ



触れるだけの軽いキスが落とされた。




「今日は我慢する」




ぷいっとそっぽを向きながら、でも優しい声でそう言ってくれた。


やっぱり…好き。





深く、熱く…甘く。

今日もあなたに夢中なんだ。



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