メイドのお仕事
◆利琥◆


突然だった。

何の前触れもなく―――突然。



俺はあの日、お偉いさんと対談をした。


ちょこっと話してすぐさよなら。



その日の予定はそれだけだった。

たったそれだけ。



「お疲れ様っ」

姉ちゃんもご機嫌だった。



「ホテル、戻んの?」


「ううん。近くに新しく出来たお店があるのよ。そこに寄ってこよっかな」



「じゃあ、俺…先に戻ってるわ」


疲れたし、帰って寝よ。




「分かった、後でね」

「おう」


俺はホテルへ向かおうとクルッと方向転換。




「おわっ!!」


ビュン!っと俺の目の前を通り過ぎるでかい車。

歩道とか車道とか関係ねぇな…。



つーか疲れた…眠い……。


「おい!!!!」


















――――――ドンッ



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