お嬢様とヤンキー





目が覚めると、目の前を雲が風に乗って、勢いよく流れていた。



からだが放心してしまっている。


頭がぼーっとして、じんわりと思い出す。



そして、沸きだしてくる悔しい想い。



「ご機嫌いかがですか?」

覗かせた顔をみて、弘人の頬に一粒、涙が流れた。




弘人は目を乱暴に擦りあげ、上半身をあげる。

顔を覗かせた椎名に見えないよう、素早く。



その弾みでからだを痛めているのがわかった。


「イタタタ」

「大丈夫ですか?」

「くそっ」

太ももを思い切り拳でぶつけたら、ただ痛かった。



「時間がありません。早くいきましょう」

椎名が急かしたてる。

「ああ」

そうだ。

南北戦争にいかなくては。
弘人は起き上がった。

ふらりと、からだが傾く。
「危ない」

「触るな!」

支えようとする椎名を弘人は怒鳴った。

弘人がやっとの想いでガードレールに掴まる。


「やはり、僕が出なくてはならないようですね」


弘人は椎名に顔を向けた。



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