お大事にしてください
少しすると、河本が挨拶をしてきた。
「あ、香月さん。おはようございます。いつ、来たんですか?」
「あ、あぁ、ついさっきだ。」
「そうだったんですか。いつもなら、絶対に気がつくのに変だな。」
河本も少し違和感を感じたようだ。
「まぁ、そう言う事もあるだろ。それより、この間のクライアント、かなりいい感じになっているみたいじゃないか。お前もやれば出来るんだよ。」
「ありがとうございます。この間は本当に助かりました。香月さんに助けてもらった分も、気合い入れてがんばりますよぉ。」
「そっか、そっか。楽しみにしてるよ。」
やる気を出した河本を、文太は喜んだ。しかし、こんな会話が出来たのは、これが最期だった。
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