お大事にしてください
「何、これ・・・。」
「さっき、仕事から帰ってきたら、玄関にこれが張ってあって・・・。庭も裏庭も、ゴミがたくさん棄ててあったの・・・。」
「棄ててあった?誰が?」
「わからないよぉ。でも、庭の方は・・・理緒が帰ってくるから、帰ってくるからって片づけていたの・・・。」
怒りがこみ上げる。
理緒の母親は、決して昔から片づけが出来ない訳ではない。父親がいなくなった頃から、こんな風になってしまった。心の病なのだ。それなのに、母親にこんな仕打ちをする何者かが、憎くて、憎くてたまらなかった。
「お母さん、片づけよう。一緒に片づければ、すぐに終わるよ。」
< 135 / 182 >

この作品をシェア

pagetop