お大事にしてください
痛み止め6
「ただいま。」
さっきまでの自分は、夢だったのだろうか。そう思えるほど、声は軽く、元気に満ち溢れていた。
「おかえり。花火どうだった?」
母親もごく普通に接してくれた。ほんの数十分前に、娘が地獄の苦しみを経験していたなどとは、想像もつかないに違いない。
「うん、すごい綺麗だったよ。お母さんも見に行けば良かったのに・・・。」
「そうは言ってもねぇ。お義母さんがうるさいのよ。やれ、あれやれだ、これやれだって。」
「そっか、おばあちゃん、花火とかお祭りとか、その類嫌いだもんね。楽しいのに・・・何でだろ?」
「ホント、何で嫌いなんだろうねぇ。」
二人揃って、ため息をついた。
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