お大事にしてください
目覚める9
気持ちが高ぶる。気持ちが高ぶり過ぎて、なかなか眠る事が出来ない。まるで、子供の頃の遠足前日かのようだ。六郎が考えているのは、もちろん遠足の事などではない。薬が本当に効くのか、考える事はそれだけだ。
(また、夜起きたらどうしよう。)
ベッドの中で横になり、丸まり、その姿は赤子のようだ。
意識して呼吸を、ゆっくり吸ったり吐いたりしてみる。
スー、ハー。スー、ハー。
耳が敏感になっている。その呼吸音が、ハッキリと聞こえる。
スー、ハー。
いつの間にか、耳につく声が、六郎に考える事をやめさせていた。
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