狐面の主人
「いや…いや、いや…ッ!
やめて…やッ…やめっ…!!」
無我夢中で進行を食い止めようとする五穂に、炎尾は怖いくらい穏やかな声で語りかける。
「……妖狐達の力を得た俺は、言わば奴等の分身…。
力の源が消えれば、必然として俺も消える…。
あの強大な力を持ち続けた報いか……最早俺の生身の身体は滅び、この通り闇に溶けゆくのだ…。」
そして、既に消えてしまった腕を回し、優しく五穂を抱き締める。
形は無い筈なのに、その温もりは、しっかりと伝わってきた。