狐面の主人

「五穂…こればかりは、命令はせぬ。



俺の妻になってくれるか、嫌かどちらだ…?」








五穂は半泣きの状態で、炎尾を見上げた。



涙を手で必死に拭い、戸惑ったように彼に言う。





「そんな…急に…。


せめて…訳を……お聞かせ願いとう御座います…。」


「………そうだな…。」




すると炎尾はその身に着ていた袿(うちかけ)を脱いだ。

五穂が驚く暇も無く、炎尾はその白い上半身を外気に晒した。



「えっ、炎尾様ッ!!

お、おおおおおおお風邪を…ッ!!////」


「構わぬ。」



袿を掴んだ五穂の手を、炎尾が静かに止める。

五穂はもう、泣けば良いのか驚けば良いのか、恥ずかしがれば良いのか分からなかった。


だがその炎尾の身体を見た瞬間、五穂の動きが止まった。








「………炎尾様………?





それは……何なのですか…?」





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