【短編集】時空郵便
二通目:優しいお姉ちゃん

流れゆく景色は儚くて人はそれを形に残したがる。

レンズ越しの虚像はただ無機質に、その刹那を流れる時間から切り取ってしまう。


私はカメラと言うものが好きじゃない。

だけど瞳に焼き付けただけでは景色は、思い出は、感情はすぐに劣化してしまうもの……

だから私はありのままをこの手で描こうと思う。


これから先だってずっと


ずっと――





< 9 / 70 >

この作品をシェア

pagetop